![]() | 柳生家の家訓 |

どんな縁もチャンスに変える力
~「小才・中才・大才」の教え~
小才は、縁に出会いて縁に気づかず。
中才は、縁に気づいて縁を活かさず。
大才は、袖すりおうた縁をも活かす。
という言葉を聞いたことがありますか?
江戸時代の初期に家康、秀忠、家光の3代に仕えた柳生宗矩の言葉です。
この言葉には、敵をも味方に変えてしまう「活人剣」という、深遠かつ高邁な思想が込められているそうです。
小才とは、学びが苦手で成長できない人のことです。
中才とは、そこそこは学ぶが飛び抜けることが難しい。普通の人です。
大才とは、どこからでも学ぶ才能が豊かで器の大きい人物です。
戦う相手と剣を通じて自分を磨き、相手をも高める。
人との出会いを大切にしてこそ、大きな人間になれる
この言葉は、人とのご縁やチャンスを、どれだけ活かせるかで、才の大小が分かるという昔から伝わる教えです。会社、社会、地域…。どれも人の集まりです。仕事をするうえでも、日々の生活でも、ふとした出会いや機会をどう活かすかはとても大切です。この言葉の意味を考えながら、実際の仕事や人間関係にどう活かせるかを考えましょう。
◆小才の憤怒
小才は、縁に出会って縁に気づかず。
概して自己評価が甘く、相手の良さに思い至らない。いくら目の前にすごいチャンスが転がっていても、それが自分にとって価値ある縁だと気づけない状態です。
たとえば…
・ヒントを持っているかもしれない同僚の話を聞き流してしまう。
・新しい顧客を紹介してもらえるかもしれない取引先の方に、挨拶だけして終わってしまう。
こういった小さな気づきを見逃すと、自分の成長にも繋がらず、あとから「そういえばあのとき…」と後悔してしまうこともあります。
こういう人は、素直に人と相対する訓練を積んでいくことを心がけるとよいでしょう。
◆中才のプライド
中才は、縁に気づいて縁を活かさず。
つまらないプライドが邪魔し、せっかく出逢った相手の懐に飛び込めません。
じっくりと人と話し込む習慣をつけていかねばここを脱することはできません。 自分の弱みや本心をさらし、相手と裸の心で接する時間を共有できたとき、大才に近づけます。
たとえば…
・「あの人と一緒にプロジェクトをやれば面白いはず」と思いながら、忙しさや遠慮などを理由に声をかけられない。 ・せっかく交流会などで出会っても、名刺交換で終わり、そのまま連絡をしない。
「うまく活かしたい」と思っていても、なかなか行動に移せないことは、よくあると思います。自分の弱点や欠点を素直に認め、一歩踏み出せるかどうかが、次のステップに進めるかどうかの分かれ道になります。
◆成長の生き様が接した人を成長に誘う
大才は、袖すりおうた縁をも活かす。
大才は、ほんの通りすがりのようなささいな出会いも大切にして活かすという。
剣を通じて自分を磨き、相手を高めるという言葉の「剣」を仕事に置き換えてみましょう。
「仕事を通じて自分を磨き、相手を高める」自分も生かし、仲間も生かすということです。
「大才」と呼ばれる人は、ほんの些細な出会いや出来事でも“これをどう活かせるだろう?”と考える力を持っています。
いわゆる人脈の広い人や、チャンスを次々と引き寄せる人は、多くの場合このタイプです。
こうした人たちは、出会いそのものを大切にしながら「行動」もセットで行っています。
「ちょっと面白そうだな」と思ったら声をかける、「あ、これあなたに合ってるかも」と相手を紹介する。そうやって“縁の輪”をどんどん広げ、チャンスに変えていくのです。
「縁」をどれだけ大事に扱い、行動できるかで、自分の可能性も人とのつながりもどんどん広がっていきます。
特に仕事においては、人との信頼関係やネットワークが成果につながる場面が多いので、日頃からちょっとした気づきを行動に移せるよう心がけましょう。
「小才」は、せっかくのチャンスに気づかない
「中才」は、チャンスに気づくが活かさない(活かせない)
「大才」は、どんな小さな縁も積極的に活かす
どんな些細な機会でも生かせる「大才」になれるよう、まずは一度アクションを起こしてみましょう。
明日からの職場での会話や、ちょっとした連絡の取り方が、未来の大きな成果につながるかもしれません。
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